…目をゆっくりと開く。
目に入ってきたのは真っ白な光。
ボーっとする頭の霞を払うように軽く頭を振る。
それでも霞は晴れてくれない。
諦めるように身体を起す。
「目覚ましちゃったんだ」ぼんやりとした頭のままに声の主に向き直り、何気なしに聞く?
「……今、何時?」
「えっと…6時20分すぎたとこかな?起きて大丈夫?」
壁に掛かっていた時計で時間を確認して、こちらの顔を見てくる少女。
不安そうにこちらを見てくる透き通った黒い瞳と、顔の動きに合わせ揺れる長い黒髪を「綺麗だな」と思う
その不安を拭える様に軽く応える。
「大丈夫だって…元々そんな高い熱でもなかったんだし」
「でも、すっごい汗だったし…息も苦しそうだったよ?」
「風邪は汗をかいた方が治るっての…それよりそっちこそいいのか?」
「いいって…なにが?」
まるで子供のように首を傾げて聞いてくる。
そのあどけなさが危うくて愛しくて…護りたいと思う。
「こんな時間までここに居てだよ…院の夕食7時じゃなかったけ?」
「それなら大丈夫。お義父さんとお義母さんにはちゃんと言ってきたし……それに…」
「それに?」
「………少しでも長く傍に居たかったし……」
顔を赤くしながら、そんなことを言われた。
頭の中の霞が濃くなった。
意識せずとも顔が赤くなったのを感じた。
「あ~~~~~………そういえば、うちの両親は何処に消えた。病気の息子残して消えるなんて非常識だろ。ちょっとした看病頼むだけならまだしも、こんな時間になるまで看病させておくなんて、子供を持つ大人としてどうなんだろうな。」
「……小父さん達なら『じゃ、後は若い二人に』とか言って……二人ともでてったから…」
…満面の笑みが頭をよぎった。
その笑顔がむやみやたらと爽やかだったので、想像の中で一発づつ殴っておいた。
本当ならば更に踏みつけておきたいのだが…一応親なので加減をしておいた。
「あ~…悪いな。あの二人が変なことさせて…いつものことながら」
「ううん…私も看病できて嬉しいし…寝顔見れて良かったし」
「……感想は?」
「可愛かった♪いつもの顔もいいけど、あどけない子供みたいでまた好きになっちゃった♪」
…思わず力が抜ける。
力が抜けて…自然と頬が緩んでしまう。
思わず微笑んで…ベットから外に出る。
「ちょっと!?ちゃんと寝てなく―」
「汗かいたんでシャワー浴びたい………それと」
すぐ傍で…何時間も俺を心配してくれた大切な恋人を見る。
「雪姫と一緒に食事がしたい。楽しく話しながら」
「…私も♪キョウジとなら楽しく出来そうだしね」
そうして、二人で笑顔を交わす。
◆ ◆ ◆
…目をゆっくりと開く。
目に入ってきたのは真っ白な蛍光管の光。
昔からの癖で軽く頭を振る。
頭に血を巡らし、現状の把握をする。
「…懐かしいな」
苦笑しつつ横になっていたソファーに身を起こす。
若い頃の記憶…過ぎてしまった大切な日々。
今は眠る大切な者…終わってしまった輝かしい時。
しかし…
「……わざわざ鳴らすとは…律儀というかあいつらしいと言うか」
鳴り響いた呼び鈴の音に苦笑を覚えつつ出迎える為に玄関に向かう
始めてあった時の事…積み重なっていく日々
傍に居る愛しい恋人…取り戻した心
すべてを失って、またすべてを手に入れる
別たれて…又出会った
そして…扉を開けて待っているあいつに言う
「お前の家なんだから…好きに入って来いよ」
あの時の自然と出てきた笑顔のままに
目に入ってきたのは真っ白な光。
ボーっとする頭の霞を払うように軽く頭を振る。
それでも霞は晴れてくれない。
諦めるように身体を起す。
「目覚ましちゃったんだ」ぼんやりとした頭のままに声の主に向き直り、何気なしに聞く?
「……今、何時?」
「えっと…6時20分すぎたとこかな?起きて大丈夫?」
壁に掛かっていた時計で時間を確認して、こちらの顔を見てくる少女。
不安そうにこちらを見てくる透き通った黒い瞳と、顔の動きに合わせ揺れる長い黒髪を「綺麗だな」と思う
その不安を拭える様に軽く応える。
「大丈夫だって…元々そんな高い熱でもなかったんだし」
「でも、すっごい汗だったし…息も苦しそうだったよ?」
「風邪は汗をかいた方が治るっての…それよりそっちこそいいのか?」
「いいって…なにが?」
まるで子供のように首を傾げて聞いてくる。
そのあどけなさが危うくて愛しくて…護りたいと思う。
「こんな時間までここに居てだよ…院の夕食7時じゃなかったけ?」
「それなら大丈夫。お義父さんとお義母さんにはちゃんと言ってきたし……それに…」
「それに?」
「………少しでも長く傍に居たかったし……」
顔を赤くしながら、そんなことを言われた。
頭の中の霞が濃くなった。
意識せずとも顔が赤くなったのを感じた。
「あ~~~~~………そういえば、うちの両親は何処に消えた。病気の息子残して消えるなんて非常識だろ。ちょっとした看病頼むだけならまだしも、こんな時間になるまで看病させておくなんて、子供を持つ大人としてどうなんだろうな。」
「……小父さん達なら『じゃ、後は若い二人に』とか言って……二人ともでてったから…」
…満面の笑みが頭をよぎった。
その笑顔がむやみやたらと爽やかだったので、想像の中で一発づつ殴っておいた。
本当ならば更に踏みつけておきたいのだが…一応親なので加減をしておいた。
「あ~…悪いな。あの二人が変なことさせて…いつものことながら」
「ううん…私も看病できて嬉しいし…寝顔見れて良かったし」
「……感想は?」
「可愛かった♪いつもの顔もいいけど、あどけない子供みたいでまた好きになっちゃった♪」
…思わず力が抜ける。
力が抜けて…自然と頬が緩んでしまう。
思わず微笑んで…ベットから外に出る。
「ちょっと!?ちゃんと寝てなく―」
「汗かいたんでシャワー浴びたい………それと」
すぐ傍で…何時間も俺を心配してくれた大切な恋人を見る。
「雪姫と一緒に食事がしたい。楽しく話しながら」
「…私も♪キョウジとなら楽しく出来そうだしね」
そうして、二人で笑顔を交わす。
◆ ◆ ◆
…目をゆっくりと開く。
目に入ってきたのは真っ白な蛍光管の光。
昔からの癖で軽く頭を振る。
頭に血を巡らし、現状の把握をする。
「…懐かしいな」
苦笑しつつ横になっていたソファーに身を起こす。
若い頃の記憶…過ぎてしまった大切な日々。
今は眠る大切な者…終わってしまった輝かしい時。
しかし…
「……わざわざ鳴らすとは…律儀というかあいつらしいと言うか」
鳴り響いた呼び鈴の音に苦笑を覚えつつ出迎える為に玄関に向かう
始めてあった時の事…積み重なっていく日々
傍に居る愛しい恋人…取り戻した心
すべてを失って、またすべてを手に入れる
別たれて…又出会った
そして…扉を開けて待っているあいつに言う
「お前の家なんだから…好きに入って来いよ」
あの時の自然と出てきた笑顔のままに
PR
TRACKBACK URL :